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ロウ層を均等に取り除いた玄米の継続摂取により生活習慣病予防の可能性を実証

玄米を食べ続けることで生活習慣病を予防する作用があることは以前から知られていますが、従来の玄米は食味や消化性が良くなく、炊飯に手間がかかることから、ほとんど食されていないのが現状です。一方、近年、玄米の表面を覆っているロウ層のみを均等に除去した玄米が開発され上記デメリットは解消されたものの、同玄米の生活習慣病予防作用についてはこれまで研究されていませんでした。

そこでこの度、医療法人社団汐咲会井野病院(所在地:兵庫県姫路市、理事長:井野隆弘)、香川大学医学部統合免疫システム学講座(所在地:香川県木田郡三木町、客員教授:杣源一郎)と東洋ライス株式会社(東京本社:東京都中央区、代表取締役:雜賀慶二)は共同で、ロウ層を均等に取り除いた玄米を主食の一部に置き換えて摂取した場合、どのような効果があるのかを調査し、生活習慣病を予防できる可能性があることを明らかにしました。この研究成果は、2016年5月15日(日)に兵庫県西宮市の武庫川女子大学で開催された第70回日本栄養・食糧学会大会にて、医療法人社団汐咲会井野病院 栄養管理課 木原憲子先生が発表しました。

ロウ層を均等に取り除いた玄米は、東洋ライスが製造・販売する金芽ロウカット玄米を使用しました。研究方法は、日常生活上健康な成人109名(男性26名、女性83名)を対象に、一日当たりの金芽ロウカット玄米の摂取回数が0、1、2、3回の4グループに分け、3ヶ月間にわたる継続摂取を実施。検査項目は、血液検査(HDL、LDH、TG、FPG、HbA1c)と体重、BMI、ならびに血圧の測定を行い、摂取開始前後の変化量を測定しました。

その結果、金芽ロウカット玄米の食回数の増加に伴い体重は、-0.6~-0.7kg、中性脂肪は、-26.0~-49.5mg/dl、それぞれ減少しました。特に2回以上摂取したグループは有意差が認められました。また、BMIは、-0.3~-0.4kg/m2、空腹時血糖においても-0.7~-8.5mg/dl、それぞれ減少傾向がみられました。本結果から、ロウ層を均等に除去した玄米(金芽ロウカット玄米)を継続摂取することは生活習慣病を予防する可能性があることが示唆されました。 本研究を行った医療法人社団汐咲会井野病院では、「今回研究に用いた金芽ロウカット玄米は従来の玄米に比較して食味が良いことから、主食としての摂取に対し抵抗性が低いため日本の生活習慣病予防に有用性があると考えられる。」と結論付け、さらに「本研究の被験者に皮膚アレルギーや便性の改善傾向が散見され、今後の検討課題として検討したいと考えている。」と付け加えられております。

【医療法人社団汐咲会井野病院の概要】
・設立=1983年(昭和58年)
・所在地=兵庫県姫路市大塩町汐咲1丁目27番地
・電話番号=079-254-5553
・ファックス=079-254-0777
・URL=http://www.inohos.com/hospital/hostop.htm

【香川大学医学部統合免疫システム学講座の概要】
・教職員=客員教授 杣源一郎(分子免疫学)
     客員准教授 河内千恵(細胞生物学)
     客員准教授 稲川裕之(比較免疫学)
・所在地=香川県木田郡三木町池戸1750-1
・電話番号=087-898-5111 
・ファックス=087-891-2016
・URL=http://www.med.kagawa-u.ac.jp/faculty/center/igaku_kouza/tougou_meneki/