安来市、島根県農業協同組合及び東洋ライス株式会社の包括連携に関する協定書締結式~安来市産米の活用により、農業振興及び健康・食育推進を図る~
この度、島根県安来市(市長:田中武夫、以下「安来市」)、島根県農業協同組合(代表理事組合長:石川寿樹、以下「JAしまね」)、東洋ライス株式会社(代表取締役:雜賀慶二、以下「東洋ライス」)は、安来市産米等を活用した、農業振興及び健康増進や食育の推進などを通じた地域社会の発展を目的とした取組について、包括連携協定を締結しました。
今後の具体的な取組として、本年6月5日より、市内の公立小学校17校、中学校5校の全校及び幼稚園1園の計2658人の子どもたち(令和5年4月現在)の給食ごはんを「金芽米(きんめまい)」に切り替えてまいります。計画では、週4回のごはん給食となり、年間約36トンのコメを使用予定です。本件の取組においては、「安来市産きぬむすめ」を原料とし、JAしまねが精米加工を担います。
本件のポイントである「金芽米」は、東洋ライス独自の加工技術によって、ビタミンやミネラルなどの滋養源である玄米の栄養を残したまま、美味しく、消化性に優れたコメです。普通の精米方法ではヌカと一緒に取れてしまう、栄養と旨味成分が含まれる「亜糊粉層(あこふんそう)」を表面に残すことで、ほのかな甘みを感じられるのが特徴です。近年では、金芽米等の継続摂取による健康への効果を実証し、論文発表しています。
JAしまねと東洋ライスは、2017年に「健康長寿しまね」の創造を目指して包括連携協定を締結しており、「コメの価値の見直し・生産農家の生産意欲向上」及び「地域住民の健康増進」を目的に連携して取り組んでまいりました。また、金芽米(BG無洗米)加工時に産出される、とぎ汁成分をリサイクルした有機質資材「米の精」を活用した循環型農業にも注力しています。環境にやさしいだけでなく、土壌を豊かにすることで美味で酵素活性にも優れるコメづくりに役立てられています。
2021年度(令和3年度)からは、同市内保育園8園にて、金芽米加工した「安来市産きぬむすめ」の給食がスタートしています。
高齢化等による担い手の減少、耕作放棄地の増加が稲作農業の顕在的な問題となる中、近年のコロナ禍によるコメの需要減少と、それに伴う価格下落が問題に拍車をかけている状況です。また、食とライフスタイルの多様化により、食生活は豊かで便利になった一方で、栄養過多や欠食、栄養バランスの偏りなど多くの問題が生じています。
今後、こうした農と食の様々な課題に対し、安来市産米の需要の確保による農業支援、高付加価値米による地域住民の健康増進を推進するとともに、地産地消の推進、更には循環型農業による環境保全を加速させ、3者で更なる地域社会の発展を目指してまいります。
【包括連携協定における連携事項】
(1)農業振興に関すること。
(2)健康増進に関すること。
(3)食育に関すること。
(4)地産地消に関すること。
(5)環境保全に関すること。
(6)その3者が必要と認める事項に関すること。
【島根県安来市の概要】
安来市は島根県の東部、鳥取県との県境に位置し、東は米子市・南部町、南は日南町(以上鳥取県)・奥出雲町、西は松江市・雲南市に接しています。安来市には、飯梨川・伯太川の下流部の広大な耕地や上流の豊かな森林やダムなどの恵まれた地の利があり、そこから生まれた誇らしい歴史・文化とものづくりの伝統が脈々と息づいています。民謡の「安来節」に合わせて、ほっかむりと鼻当てをしたひょっとこ顔でユーモラスな動きで踊る「どじょうすくい踊り」も全国的に有名です。(https://www.city.yasugi.shimane.jp/ ※外部サイト)
【島根県農業協同組合の概要】
島根県農業協同組合は、島根県内22万人の農家組合員の生活の維持向上を目的に組織され、平成27年3月に11地区本部制の1県1JAとして統合以降、担い手支援をはじめ水田園芸推進、和牛増頭対策を基幹施策として、農業所得の増大と生産拡大に邁進されています。地方自治体との包括連携協定は、島根県、西部9市町に次いで、安来市が3例目の締結となります。(https://ja-shimane.jp ※外部サイト)