「健康長寿しまね」創造へ 全国で初めて農家生産米を自家消費用金芽米に加工などJAしまねが東洋ライスと業務連携
島根県農業協同組合(略称:JAしまね、所在地:島根県松江市殿町19-1、代表理事組合長:竹下正幸)と東洋ライス株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役:雜賀慶二)は、この度「健康長寿しまね」創造を目指し業務連携する運びとなり、本日「包括連携協定書」に調印することになりました。
東洋ライスは、ヌカの一部を残すことで、人間の自然免疫を活性化する作用がある「金芽米」を開発、販売しています。JAしまねでは、同社と連携することで金芽米の機能性を活用した様々な取り組みを開始します。その一つとして、農家が生産したコメを自家消費用の金芽米に加工し、生産者の健康増進に供する取り組みを全国に先駆けて開始、28年産は50件利用で約5トンの加工、29年産は100件利用で約25トンの加工を計画しています。また、島根県産の原料を金芽米加工し中国地方5県でも本年より販売を開始する予定、地域住民の健康増進を目指します。29年度の生産(供給)目標は340トン、取扱店舗は約100店舗を予定しています。
包括連携協定ではこの他、①健康フォーラムイベントなど「コメと健康」に関する地域住民への啓発活動、②島根県産米「きぬむすめ」などを東洋ライスに複数年契約等で安定供給――などが盛り込まれており、これらによりJAしまねは、「健康長寿しまね」の創造を目指して、コメの価値の見直し、生産農家の生産意欲向上と、行政による生産数量目標の配分が平成30年産からなくなることを受けて、産地と消費地が結びついた取り組みを強化するとともに、機能性のあるコメによって地域社会の健康増進、医療費削減に貢献してまいります。
金芽米は、ヌカの一部である亜糊粉層(あこふんそう)を残すことで、人間の自然免疫を活性化するLPS(リポポリサッカライド)が精製白米に比べ約5.9倍含まれています。JAしまねでは、金芽米により学校給食や病院、福祉介護施設などとの取引拡大も見込んでいます。また、健康フォーラムイベントは、「新しいお米のパワーで“健康長寿しまね”を目指そう!(開催日:5月19日(金)、場所:くにびきメッセ)」と題したセミナーを開催するのを皮切りに、行政や大学、栄養士会、病院などと連携を図り、定期的に開催する予定です。
やすぎ地区本部精米センターは4月に、金芽米の製造ラインを新設しました。同センターでは1996年に東洋ライスのBG無洗米機を導入し、研ぎ汁による水質汚染を防止するとともに、健康成分とおいしさが長持ちする無洗米を製造してまいりました。また、東洋ライスはすでに島根県産米を使用し、金芽米や、玄米の表面を覆っている蝋(ろう)層を均等に剥離した「金芽ロウカット玄米」を販売しており、長年に亘るこれまでの良好な関係が包括連携協定につながりました。
東洋ライスでは、今回のような金芽米、金芽ロウカット玄米を活用した健康寿命延伸や産地活性化に向けた取り組みを始めており、去る4月12日には、静岡県下のJAと協働で管内に金芽米専用のモデル田を設け、県産米「きぬむすめ」を金芽米にして県民に供給する取り組みをスタート。この後も他の地域で新たな取り組みを予定しています。