平成26年3月期決算報告ならびに事業報告
東洋ライス株式会社(本社:東京都中央区、雜賀慶二社長)は、平成26年3月期(第53期)決算を発表いたします。平成25年3月1日に前身である株式会社東洋精米機製作所と関連会社のトーヨーライス株式会社が合併した東洋ライスが「お米に関する総合メーカー」としてスタートしてから、実質的に最初の事業年度となります。金芽米はその美味しさはもちろん、人々に健康をもたらすコメとして広く認知され、コメ業界のみならず、コメを取り扱う様々な業界に変革をもたらしました。平成26年1-4月の金芽米の生産量は前年同月比約5.5倍と、日本の米消費量が減少し続ける状況下でも、大きく伸びました。
①平成26年3月期決算報告について
平成26年3月期決算は、前年度【内訳:①東洋精米機製作所(平成24年4月1日~平成25年2月28日)、②トーヨーライス(平成24年4月1日~平成25年2月28日)、③東洋ライス(平成25年3月1日~3月31日)の合算】と対比して、売上高は前年度比19.5%増の97億2百万円、経常利益は28%増の14億17百万円となりました。また、前年度からの新事業として、弊社所有の遊休地及び遊休資金を活用した太陽光発電事業(総出力規模 2.1MW)も各地で順調に設置・稼動が進み、当期は約22百万円の収入となり、今期は太陽光発電事業だけで年間1億円の収入を見込んでおります。(決算内訳の詳細は別添資料①をご覧ください)
金芽米部門では株式会社タニタとのコラボ商品である「タニタ食堂の金芽米」「タニタ食堂の金芽米ごはん」を中心に金芽米の生産量を大きく増加させました。また、昨年11月には株式会社プレナスが運営する「ほっともっと」「やよい軒」「MKレストラン」で金芽米が全面採用されたことにより、一層全国へ販路を拡大し、金芽米ブランドの商標使用権も新たな収入源として加わりました。これら金芽米生産量の増加及び高収益を果せたのは、昨年稼働した「超高効率東洋ライスリンクウ工場」(大阪府田尻町)の役割が大きく、製品歩留率が従来より高く、また工場人員がわずか2名(通常の8分の1)、エネルギー消費率は従来の5分の2という低コスト化による利益率アップにもつなげました。さらに、株式会社神明精米よりBG無洗米装置を含めた精米プラントすべてを受注したほか、大和産業株式会社からBG無洗米装置の増設を受注するなど、従来からのBG無洗米加工部門、精米機器製造販売部門も堅調に推移しました。
②「金芽米」の状況について
昨年11月に大手弁当チェーンを運営する株式会社プレナスが健康的でおいしい「金芽ごはん」として、全国の「ほっともっと」「やよい軒」「MKレストラン」で金芽米を採用しました。これにより、一般消費者へ金芽米が広く認知され、米穀企業以外からの引き合いにつながりました。具体的な例としては、本年4月に明治ライスデリカ株式会社が金芽米を原料に使用した「旨っ!!おにぎり」を発売し、株式会社ドトールコーヒーは新業態「CAFE LEXCEL」のサンドイッチのパンの原料に金芽米を採用しました。これまで「生米」として発売されてきた金芽米が、その付加価値(美味、健康効果)によって他の商品との差別化を図るための有効な手段として使われるようになり、新市場開拓への第一歩を踏み出しました。
また、生米としても、本年5月より株式会社イトーヨーカ堂がPB商品「あたたか金芽米 宮城ひとめぼれ4.5kg」を発売しました。このほか、昨年11月に発表した「金芽米による日本のコメ農業活性化事業」では、全国の地方自治体関係者やコメ生産者団体から問い合わせが寄せられ、具体的に事業をスタートしました。
③平成27年3月期の展望について
金芽米を取り巻く環境は1年半で大きく変化し、これまで取引がなかった業界の企業からの引き合いが増えて、幅広い業界で使われるようになりました。金芽米の特長を活かして、新しい価値を付けて他の商品との差別化を図りたい企業が、加工原料として導入するケースが増えてきたと考えられます。金芽米は「コメ=ご飯」という固定概念を覆し、コメの可能性を大きく広げるだけでなく、人々の健康に貢献できる機能性食品でもあります。今後は生米、ご飯以外の分野や、加工原料としての販路拡大に向けて取り組みを強化してまいります。
また、海外の健康志向の高い富裕層需要開拓に向けて、海外事業にも注力してまいります。数年前から金芽米を輸出販売している米ニューヨークでは現地商社と連携して販売店舗数を増やすとともに、6月25日~7月2日に社員を派遣し、地元スーパーで試食販売を実施するなど商品提案を行っております。シンガポール、香港、台湾といったアジア各国・地域でも金芽米の定着を目指してまいります。
このように弊社は金芽米によって、コメ農業国である日本の水田を守るとともに、金芽米がもたらす健康効果により日本の医療費軽減にも貢献できればと考えております。
以上