金芽ロウカット玄米の継続摂取により脂質異常が改善
東洋ライス株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役:雜賀慶二、以下「東洋ライス」)が開発した金芽ロウカット玄米を継続して摂取することにより動脈硬化との関連性が高いLDLコレステロール(悪玉コレステロール)が有意に改善することを「ヒト試験」による臨床試験で確認し、第57回日本食生活学会(2018年10月27日)にて発表しましたので、ご報告致します。
【試験方法】ボランティア成人男女36名を無作為に選び、A群(金芽ロウカット玄米8週間摂取後、精製白米8週間摂取)14名、B群(精製白米8週間摂取後、金芽ロウカット玄米8週間摂取)17名の2群に分け(脂質異常症や糖尿病の薬物治療中及び肝機能異常や腎機能異常の者は除外)、食生活全般を変えず米飯(1食あたり160g)のみを変更するクロスオーバー試験で行いました。試験開始時、摂取後8週目、切替え後8週目の合計3回の体組成測定および採血を行い、血液検査は総コレステロール、およびHDLコレステロール、LDLコレステロールの測定を行いました。
【試験結果】試験開始前LDLコレステロール値140mg/dL以上のA群の被験者(n=4)において金芽ロウカット玄米(脱ロウ玄米)摂取後、総コレステロール、LDLコレステロールは摂取前から摂取後に有意に改善され、またHDLコレステロールの変化はみられませんでしたが、LDL/HDL比では摂取前から摂取後へ減少傾向にありました。
同条件のB群の被験者(n=2)では総コレステロールは摂取前から摂取後に減少傾向が見られ、LDLコレステロールは摂取前から摂取後に有意に改善し、またHDLコレステロールの変化はみられませんでしたが、LDL/HDL比に摂取前から摂取後への減少傾向にありました。
摂取被験者の体重・体脂肪の変化は両群ともみられませんでした。
以上の試験結果から、無作為に選んだ36人の被験者のうち、LDLコレステロール値が140mg/dL以上の被験者(A群4名、B群2名)全員の改善効果が見られたことは、非常に大きな結果であると言えます。即ち、普段の米飯を金芽ロウカット玄米に変更することで、LDLコレステロールが有意に改善し、動脈硬化をもたらす脂質異常症や糖尿病の改善効果が明らかになりました。
【研究背景】
我が国の医療費は平成29年度42.2兆円となっており、その削減が重要な課題となっております。このうち約20%が 脳・心臓・血管 などの循環器疾患に起因するものであり、ほとんどが動脈硬化との関連性が高いことが分かっています。動脈硬化は、食習慣、特に脂質やコレステロールとの関係が強いことが知られており、主食を始めとした日常的な食生活で簡単に導入できる食材の「工夫」が望ましいとされております。
そのような状況の中、東洋ライスは独自の加工技術により玄米表面を覆っているロウ層のみを均等に除去することで、玄米の栄養価や食物繊維を残しながらも、食味や消化性は通常の玄米より優れ、白米のように炊飯しやすく食べやすい金芽ロウカット玄米を開発しました。金芽ロウカット玄米は、年齢や生活スタイルに影響されず、継続して喫食出来るのが大きな特長で、従来の玄米とは異なり非常に導入しやすい玄米であるため、これまで認知機能、免疫機能、便通のヒト介入試験にて金芽ロウカット玄米による改善効果が明らかになると共に、多くの病院や老健施設などでも採用されております。