ユニーク総合防災 × にんべん × 金芽米日常と変わらない美味しさで、心も満たす防災備蓄食『だしがゆ』
防災備蓄用長期保存食でありながら、日常食品と変わらない美味しさを追求して商品開発に取り組んでいる株式会社ユニーク総合防災。
そして、創業300年以上の歴史を持ち、鰹節の本物の味を伝えていく「伝承」、次世代に向けて新しい食を生み育む「創造」、そして多くの方々に伝わるように変化していく「融合」の実現を目指している株式会社にんべん。
そんな両社が共同企画開発した商品『だしがゆ』が、2024年5月に発売10周年を迎えたことを機に、「金芽米」を使用したリニューアル商品を発売しました。
今回は、株式会社ユニーク総合防災 代表取締役会長 池上 一彦様、取締役統括管理部長 山形 まどか様、株式会社にんべん 商品サービス企画部 業務用グループ 次長 麻生 雅志様、研究開発部 執行役員部長 𠮷岡 立仁様、研究開発部 課長 遠藤 直子様にお話を伺いました(2024年7月)。
被災者の立場に立った商品開発
両社の成り立ちや経緯、大切にされていることについて教えてください。
にんべん 麻生次長:
にんべんは、江戸時代に、初代髙津伊兵衛が日本橋の戸板を並べて鰹節や干物を売ったことから商いが始まりました。
昭和44年に中身が見える小袋の「フレッシュパック」を業界に先駆けて完成させ、ご自宅でいつでも削りたての風味を楽しめる鰹節を食べられる画期的な商品となりました。近年では、鰹節やだしの事業領域をさらに広げ、惣菜・料理として幅広く展開しています。
にんべん 𠮷岡部長:
「フレッシュパック」は、初代開発者が包材メーカーと相談し、酸素を通しにくい包材を使い、空気を窒素ガスに置換し、密封しています。鰹節は酸化しやすいため、酸素残存率を0.5%以下という非常に厳しい基準で管理しています。
ユニーク総合防災 池上会長:
ユニーク総合防災は、2013年4月に設立しました。前職が大手製菓メーカーで、「食に携わったからには、世の中に貢献したい」と仲間と一緒に始めました。2011年に発生した東日本大震災の影響を受け、避難所での困難な状況を考え、保存水と焼き菓子を最初に発売しました。その後、日本人なら主食であるお米だなと考え開発しています。
両社でのコラボ商品に至った経緯を教えてください。
にんべん 麻生次長:
防災食のお話をいただき、日持ちする主食としておかゆに着目しました。だしを活かして良い商品ができるのではないかと考え、池上会長とともに『だしがゆ』の形になりました。
ユニーク総合防災 池上会長:
にんべんさんとともに、安心、安全で美味しいものを作りたいという思いからスタートしました。発売当時、業界内では、後発メーカーである当社がにんべんさんとコラボしたことに驚かれましたね。その後、新アイテムの追加や包装形態の変更を重ね、商品の完成度を高めてきました。
ユニーク総合防災様では、防災備蓄商品の賞味期限に「6年以上」をテーマにされていますが、その理由を教えてください。
ユニーク総合防災 池上会長:
「6年のこだわり」は当社の重要なコンセプトです。都内の中高一貫校の先生から、災害時に備蓄食を探すのに苦労したという話を聞き、6年の賞味期限を設定しました。小学校6年、中高一貫校6年での備蓄セットを想定し、未使用時は卒業後に食べていただき、廃棄せずに済むよう6年+半年の余裕を持たせています。『だしがゆ』については、物流期間1年も含め、7年の賞味期限になっています。
初期『だしがゆ』から現在まで、商品開発などの経緯、難しかった点やこだわり、反響を教えてください。
にんべん 𠮷岡部長:
最初は、さけ、とり、あずきの3種類で、平パウチ入りの製品、お皿、スプーン、ゴミ袋付きで始まりました。その後、容器として使えるスタンディングパウチ入り製品、スプーン、ゴミ袋付きに変更になりました。
被災時でも温めずに美味しく食べられるよう、鰹節の粉末を入れて風味が長持ちするようにしています。池上会長に実際の被災者が食べる状態で、量は1袋、水なしでご試食いただきながら開発し、最終的に3種類に決まりました。
にんべん 麻生次長:
災害備蓄食は、ある程度カロリーを取らなければいけないため、カロリーを付加することに一番悩みました。しかし、被災した方々の身体状態、精神状態を第一に考え、油を入れたり、1食量を多くしたりするなど無理なカロリーUPはせず、適正量の美味しい商品を作ることにこだわりました。
こうして出来上がった試作品を試食したところ、1袋でも、鰹節の現物を入れているのでお腹が落ち着き腹持ちしました。カロリーは数字上で足りていないものの、この実際の効果でお客様を説得できないかと話し合いました。
フレーバーでは、「あずき」の考案に試行錯誤しました。味のイメージがつきにくいですが、あずきは食物アレルギー特定原材料等28品目不使用で、実際に食べていただくとリピーターがつきます。また、7年保存しなければいけないので、具材が溶けてしまい却下された試作品も多かったです。
ユニーク総合防災 山形部長:
今回のパッケージでは、食べやすさを追求し、開け口を2箇所設けました。また、災害時の情報提供に役立つよう、災害用伝言ダイヤルの説明や具材の絵柄を表面に、原材料表示を英語併記で裏面に配置。誰でも手軽に情報を得られるよう、デザインを一新しました。
確かに、災害時に胃腸に負担がかかる物や、多くの量は食べれないと思います。被災者の立場に立って開発された商品というのが良く分かりました。
災害時の水は貴重なんですね。
にんべん 麻生次長:
災害時は水が非常に貴重になるので、アルファ化米だと水を使わないと食べられないし、量が多かったり味が濃かったりすると水を飲まないと食べられない。おかゆだったら調理不要で水を使わず、食べることで水分補給もできるので、貴重な水を本当に必要な時に残しておくことが出来ます。
ユニーク総合防災 池上会長:
麻生次長には何回も展示会で試食を行っていただいていて、今のお話は、本当に説得力があります。
にんべん 𠮷岡部長:
味が強いと逆に食べた後に水が欲しくなってしまうんですよね。やさしい味だと胃腸への負担も防げます。
フレーバー検討について、教えてください。
にんべん 麻生次長:
さけ、とり、あずき、こんぶ、まぐろの5種類は、やさしい味なので年配の方は抵抗が少ないと思いました。また、若者向けには、カレーリゾットや鰹節と相性が良いトマトを使ったリゾットはどうかと開発に相談してみました。
にんべん 遠藤課長:
最初は、さけ、とり、あずきの3種類で、こんぶ、まぐろの2種類が追加され、さらにトマト味、カレー味が追加されました。トマトと鰹節は、まさにうま味の相乗効果でした。トマト味、カレー味はご飯全体に味をつけてリゾット風としました。
ユニーク総合防災 山形部長:
カレー味は美味しかったものの、水を飲む必要がないやさしい味にしたら物足りないという意見があり、新商品では外しました。災害時に貴重な水を飲む必要がある商品だと、元も子もないですからね。
やさしいお味なので、小さいお子さまからご高齢者まで食べられると思いますが、対象の年齢層はありますか。
にんべん 𠮷岡部長:
おかゆなのでとろみが付いていて、スプーンも付属されているので、食べやすいです。離乳食が終わったお子さまからご高齢者まで、味の好みはあると思いますが、対象年齢は喫食できるみなさまです。
ユニーク総合防災 山形部長:
𠮷岡部長もご説明されたように、とろみがあるので、高齢者層に響いているようです。購入先についてのお問い合わせや展示会での評価が良いのは、高齢者の方が一番多いです。
にんべんの“だし“と“金芽米“の旨みがぎゅっと詰まった、美味しい防災食
今回の金芽米を使用した『だしがゆ』の開発背景や特徴、「金芽米」の採用理由について教えてください。
ユニーク総合防災 池上会長:
友人からのつながりで金芽米を採用し、にんべんさんのだしと金芽米を使った防災食『だしがゆ』を開発しました。被災時に安心して食べられるよう、商品の完成度を高めました。
にんべん 𠮷岡部長:
普段使いの金芽米の安心感を活かし、とろみ加減とご飯粒の大きさが良く、具材の美味しさをより引き立てるお米を採用しました。
にんべん 遠藤課長:
東洋ライスさんに、最初にご提案いただいたお米はとろみが出にくいとご相談し、作り方や浸漬時間などのアドバイスをいただき、更に使用する品種などもご提案いただきました。それで試作してみたところ、こんなに違うんだという有効な結果が得られたので、現在の仕様になりました。
金芽米を使用した『だしがゆ』を初めて食べた時の感想はいかがでしたか。
ユニーク総合防災 山形部長:
展示会で試食してみて、「こんなに美味しかったかな」、「前のものと違うね」と話していました。お米の違いによる旨味や美味しさを実感しました。
にんべん 麻生次長:
一口食べた時に、「これなら旨い、売れるよ」と思いました。鰹節と金芽米と具材だけで、他に何も足していないので、6種類の具材の味がきちんと主張するように作っています。
ご家庭で防災備蓄食を購入しても、そのままで賞味期限を過ぎてしまうことが多いです。防災食で消費者に伝えたいことは何ですか。
ユニーク総合防災 山形部長:
能登半島地震以降、ECなど個人購入者が非常に増えています。備蓄食のローリングストックを行い、賞味期限が近い場合はアレンジして食べることもおすすめします。当社のWEBサイトでもアレンジレシピをご紹介しています。
「『だしがゆ』アレンジグルメのご紹介」はこちら ※外部サイトに移動します
にんべん 麻生次長:
「備蓄食=美味しくない」というイメージを払拭し、普段から美味しいものをストックしていただきたいと思いこちらの商品を開発しました。
ユニーク総合防災 池上会長:
備蓄食は進化しており、現在では食物アレルギー特定原材料等28品目不使用の商品や美味しい商品が増えています。また、ご家庭での備蓄の必要性は高まっています。
今後の展望や商品開発について教えてください。
にんべん 麻生次長:
これは池上会長とも常々話しているのですが、ご飯のアルファ化を進め、美味しいご飯を備蓄できる商品を開発したいです。東洋ライスさんの「精米のプロ」という視点も活かしつつ、被災時にご飯を食べたいというニーズに応えられる商品を目指しています。
ユニーク総合防災 池上会長:
備蓄できる美味しいご飯を目指し、新潟の農家さんにお願いしているところです。また、加熱しなくても長期保存可能な美味しいご飯を目指しています。
ユニーク総合防災 山形部長:
いまの『だしがゆ』をパワーアップして、タンパク質、ビタミン、ミネラルを補える具材の開発にも力を入れています。
【「ユニーク総合防災」リンク先】
「にんべんx金芽米 だしがゆ~<2袋入>」ご購入はこちら ※外部サイトに移動します
「にんべんx金芽米 だしがゆ~<20袋入>」ご購入はこちら ※外部サイトに移動します
「ユニーク総合防災」WEBサイトはこちら ※外部サイトに移動します
【「にんべん」リンク先】
「にんべん」WEBサイトはこちら ※外部サイトに移動します
【「金芽米」リンク先】
「金芽米」についてはこちら
「商品情報」についてはこちら
「金芽米オンラインショップ」はこちら ※外部サイトに移動します