青空の下で食べる「ごはん」は、
お・い・し・い!
都会に住んでいても、オープンテラスのカフェでランチと聞けば、ちょっとワクワクしますよね。ましてやキャンプやBBQなど、大自然のロケーションの中で食べるごはんの味は格別!!そんな中、キャンプ愛好家(キャンパー)達の間でひそかなブームになっているのが飯盒炊爨(はんごうすいさん)です。
そこで今回は、野外炊飯のワークショップなども開催している、登山ガイドで管理栄養士のヤッホー!!さんに野外炊飯の手順を紹介してもらいました。
飯盒炊爨とは、飯盒を使って「ごはんを炊く」こと
飯盒炊爨とは、飯盒を使って「ごはんを炊く」こと。飯盒で炊く場合は炊飯ではなく炊爨と呼ぶのが一般的だったのですが、近年では飯盒炊飯(はんごうすいはん)と呼ぶ若い人達も増えてきているようです。言葉が時代によって少しずつ変化しているように、道具もどんどん変化しています。
飯盒といえば、林間学校などでお馴染みの黒い兵式飯盒をイメージするかもしれませんが、現代キャンパーの多くは、お弁当箱のような平たい形をして、折り畳みのハンドルがついたものを使っています。こちらは英語で飯盒を意味するメスティン(messtin)とよばれ、日本では兵式飯盒と区別されています。
このメスティンを使って、カセットコンロや登山用コンロで炊くのが今の主流です。
自然を楽しむアウトドア。だからこそ「金芽米」にこだわりたい
私は野外炊飯のときに、いつも金芽米を使っています。その理由は大きく3つあります。
①とぎ汁が出ないこと
洗剤などの化学物質と違い、天然成分であるお米のとぎ汁は自然に返しても問題ないと思うかもしれませんが、河川では分解されにくい成分も含まれています。また、栄養豊富なとぎ汁を流すことで、その土地本来の生態系に影響を及ぼすかもしれません。
②おいしい水を吸水できること
普通米を使っているキャンパーの多くは、お米を研ぐ(洗う)ときの水はキャンプ場の水道水を使い、炊きときだけミネラルウォーターを使っています。しかし、お米は研いでいる(洗っている)時にも吸水します。おいしくごはんを炊くには、研ぐ(洗う)ための水も可能なかぎりおいしい水を使う必要があるのです。
無洗米であれば最初からミネラルウォーターを使うので、全ておいしい水を吸収してくれます。これなら炊き上がりがおいしくなるのは当然です。
③栄養価が高いこと
縦走登山や災害時など、長期にわたって野外炊飯を必要とする場合、食物繊維やビタミンB群が不足することも多く、便秘や口内炎といったトラブルが起こりやすいといわれています。ごはんをしっかり食べて、活動するためには栄養価の高い金芽米がおすすめです。
メスティンを使った「金芽米」野外炊飯を楽しもう!
では、実際に野外炊飯をしてみましょう。今回はメスティンと、ご家庭にあるカセットコンロを使った「1合炊き」をご紹介します。
必要なもの
- メスティン
- カセットコンロ(カセットガスボンベ)
- 軍手
- 手拭い
- 保温バッグ
- 食器類
- タイマー
- 計量カップ
①30分以上浸水させる
②沸騰するまではフタをせず、強めの中火
③沸騰したら弱火。フタをして10~12分加熱
④素早く手拭いに包み、保温バッグに入れて10分間蒸らす
⑤で・き・あ・が・り
いきいき登山ガイド・ヤッホー!!さん。登山ガイド/管理栄養士/健康運動指導士
登山経験を生かした「防災食」や「転倒予防体操」などの講習会を各地で開催。妻でアウトドア料理研究家のshihoと共に、山ごはん・キャンプ料理を発信している。著書「山登りABC もっと登れる食料計画」「ヤマケイ登山学校 登山ボディ」(ともに山と渓谷社)など